駐車場は登記するのか?
新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記をしなければならない。という法律があり罰則もあります。これに駐車場が含まれるのかという質問をよくいただきます。
表題登記をしなければならない建物は以下のように規定されています。
「建物は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする用途に供し得る状態にあるものでなければならない。」
要するに、これに駐車場が当てはまるかという判断になるわけですが、もう少し上記の規定を噛み砕くと
- 外気分断性
- 定着性
- 用途性(人貨滞留性)
これら全てに合致すると、表題登記が必要な建物と認定されます。
(これに加えて不動産として独立して取引の対象となり得るものであることも必要だとする考えもあります。)
それでは、駐車場の種類によって考えてみましょう
- カーポート

①外気分断性
屋根はあるものの、周りに壁など外気と分断するものがありませんので、外気分断性があるとは言えません。
②定着性
支柱部分は地面にしっかり固定されてるとはいえ、容易に撤去できないとは言い切れないため、定着性があるとは言えません。
③用途性
屋根もあり車を止める場所としての用途性があると言えるでしょう。
結論として、外気分断性と定着性があるとは言えないため、表題登記が必要な建物とは認定されません。
- 機械式駐車場

①外気分断性
こちらは屋根もなく、周りに外気を分断するものもありませんので、一目で外気分断性があるとは言えません。
②定着性
これだけの構造物で重量もありそうですので、基礎もしっかり作られているはずですので、定着性があると言えるでしょう。
③用途性
1台づつ区分けもされており、車を止める場所として用途性があると言えます。
結論として、外気分断性があるとは言えないため、表題登記が必要な建物とは認定されません。
- タワーパーキング

①外気分断性
タワーパーキングは、この外壁の中に上記の機械式駐車場のような仕組みが入っているわけですが、この外壁によって外気を分断していますので、外気分断性が備わっていると言えます。
②定着性
機械式駐車場と同様に定着性があると言えます。ちなみに原則として高さ8メートルを超える機械式駐車場は、建築確認が必要になります。
③用途性
問題なく用途性があると言えます。
結論として、外気分断性・定着性・用途性の全てを満たしますので、表題登記が必要な建物と認定されます。このようなタワーパーキングは表題登記が必要になるわけですが、何階建てと登記すると思いますか?
答えは平家建です。つまり高さに関係なく1階建の扱いなんです。
- 自走式立体駐車場

①外気分断性
これまで検討してきてお気付きかと思いますが、駐車場で表題登記が必要かどうかのカギは、外気分断性にあります。この自走式立体駐車場の場合、天井はしっかりしていますので問題は周壁です。使われたことがある方はご存じかもしれませんが、自走式立体駐車場の周壁は腰高ぐらいまでの壁しかなく、外気分断性があるとは言い難いところです。ですが、利用目的にそった周壁があるものと判断されています。
②定着性
問題なく定着性があると言えます。
③用途性
問題なく用途性があると言えます。
結論として、外気分断性にはいささかの疑問が残りますが、表題登記が必要な建物と認定されます。
いかがでしたでしょうか?今回は駐車場に関して表題登記が必要かどうかを考察してみました。建物として認定されるかどうかは、外気分断性・定着性・用途性を考慮して決定しますが、自走式立体駐車場の外気分断性の判断のように、すべての建物が明確に3項目に合致するかどうかを判断するのは難しいです。土地家屋調査士も過去の事例や関係省庁に確認をして判断する場合もあります。
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