相続の登記は必要か?
今回は、相続が発生した場合に土地や建物に相続登記が必要か?ということです。
結論から言えば「相続登記はしてください」となります。
我々、土地家屋調査士は土地や建物の大きさや形状を扱う仕事です。権利の部分は扱わないため相続は関係ないと思われることが多いのですが、意外と業務に支障をきたします。
依頼者に相続が発生している場合、大抵は被相続人と相続人の関係を証明すれば相続人の方で申請が可能なため、事前に状況を把握して費用の見積もりにも反映できます。では何が支障をきたすのかというと、依頼者の所有している土地の隣接地所有者に相続が発生している場合です。
土地の確定測量や分筆登記を依頼された場合、隣接地所有者の方と現地にて立ち合いのうえ、境界に間違いがない旨の承諾書を作成します。この立ち合いと承諾書の署名押印は、相続が発生している場合、その法定相続人全員の方を確認しなければなりません。
※この境界確認の行為は、民法251条の「処分行為」と解されているため共有者全員の同意が必要と考えられます。
隣接地所有者の方から見れば、この立ち合いや承諾書の作成は降ってわいたような話でこれ自体にも苦労することが多いのですが、そのうえ法定相続人を確認しなければならないわけですから難儀なのは言うまでもありません。
相続人の一人から、相続人はわたしだけですと教えて頂いても、本当にそうなのか確認する必要があります。その確認方法は、被相続人の戸籍謄本を遡って確認していきます。(戸籍謄本の遡りについては別の機会に)
確認の結果、本当にその方だけの場合はスムーズに話は進みますが、想定していない方にも相続権が明らかになるとこれは大問題です。隣接地所有者の相続問題が発生してしまいます。
これまでのお話だと、土地家屋調査士の業務に支障があるから「相続登記をしてください」と聞こえてしまいますが、もし土地や建物を売却するときには、この相続登記が必須となります。相続登記をしていないと売却したいと思ったときに想定のしていない相続人が明らかになるなどの問題が発生してしまう可能性もあります。その場合は売却のスケジュールに支障をきたすばかりではなく、最悪売却ができないなんてことも考えられますので、相続が発生した場合には、しっかりと相続登記をしておきましょう。
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